なぜ痩せる!?“ケトジェニックダイエット”のメカニズム!! その③

栄養

こんにちはー!タニトです!

前回に引き続き、ケトジェニックダイエットについて書いていきたいと思います。

今回は、「メリット・デメリット」についてお話させていただきます。

では、早速いきましょう!

メリット

ケトジェニックダイエットのメリットとしては、大きく4つあります。

 メリット1 食材選びが簡単

まず1つ目は、食材の選択が簡単ということです。

単純に糖質を摂らなければいいので、それ以外のたんぱく質や脂質はある程度摂ることが出来ます。

なので、糖質が殆ど入っていないものを選び、商品パッケージの裏面に記載されているたんぱく質と脂質を見て計算していけばOKということになります。

一般的なローファットダイエットの場合は、ある程度PFCのバランスが決まっており、その範囲からはみ出さないようにしていかないといけないので、特に外食をする時なんかは食材を選ぶのが難しいといったことがあります。

 メリット2 減量の初速が早い

2つ目は、減量の初速がローファットよりも早いということです。

巷には様々なダイエット方法が溢れかえっていますが、糖質を殆どゼロにするということが、体重減少のスピードにおいては最も早いです。

これが、ケトジェニックダイエットの一番の強みと言えるかもしれません。

 メリット3 糖尿病のリスク低減

3つ目は、糖尿病のリスクが減るということです。

これに関しては、当然と思われるかもしれませんね。

そもそも、糖質を摂ってこないからです。

 メリット4 浮腫みにくい

4つ目は、浮腫みにくいということです。

グルコース(糖)1分子当たりに水の分子が3つくっついてきます。

つまり、糖質をカットするということは、それにくっついてくる水が身体に引き込まれないということになるので、浮腫みにくくなるのです。

デメリット

メリットがあれば、当然デメリットも存在します。

ケトジェニックダイエットのデメリットとしては、大きく6つあります。

 デメリット1 絞り切るのは難しい

まず1つ目は、ボディビルやフィジークなんかのコンテストに向けての減量だと絞りきれないということです。

厳密に言うと、最初から最後までケトジェニックダイエット一本では絞りきれないということになります。

人間の身体にはホメオスタシスという機能が備わっていて、「これ以上体脂肪が落ちると生命が脅かされるかもしれない!」と身体が危機を察知すると、それ以上体脂肪が削られないように代謝量に制限がかかったりします。

目的が健康増進であるならば、ホメオスタシスを超えていくほどの究極減量は全くおすすめできないのですが、コンテストで上位を獲りたいとなった場合は、このホメオスタシスを打破していく必要性も出てくるかもしれません。

ですが、ケトジェニックダイエットでは、ここを打破していくことが難しく、一定のラインを超えると体脂肪の減少はプラトーに入ってしまいます。

体脂肪率が30%くらいの高い方はケトジェニックダイエットを入れることでスムーズに体脂肪を削っていくことが出来ますが、すでに10%前後の方がそこからどんどん削っていくということは難しいのです。

なので、コンテストに出場される方に対して、個人的なおすすめの減量方法としては、減量期間の一部分をケトジェニックで進めていくという方法です。

具体的には、例えばまずローファットで限界までいったらケトジェニックに切り替えて、ケトジェニックがプラトーに入ってしまったらまたローファットに切り替えるといった感じです。

順番はどちらからでもいいと思いますが、このような感じで切り替えながら進めていく方法が個人的にはおすすめです。

 デメリット2 初期のだるさや倦怠感

2つ目は、初期の身体への負荷です。

ここが、ケトジェニックダイエットの最も大きなデメリットだと思います。

特に初めてケトジェニックダイエットされる方には負担が大きいかと思います。

普段、人間の脳は糖を利用して働いています。

その糖がカットされるわけですから、身体の疲れやだるさ、いつもより頭が回らないといったことが生じます。

そして、ケトン体というのは酸性であり、体内で酸性のものが増えてくるとpHバランスが酸性に傾いていきます。

そうすると、さらに身体は疲れやすくなってしまい、この状態をケトアシドーシスといいます。

この対処法としては、海藻類やきのこ類といったアルカリ性の食材を摂り、酸性に傾いたpHを弱アルカリ性に戻していくことで疲れなどの症状が落ち着くといったことがあります。

なので、これからケトジェニックダイエットをするぞ!と決めている方で、初期に身体の疲れなどがみられる場合は、アルカリ性の食材を積極的に摂ることで、改善を図っていただければと思います。

 デメリット3 チートデイが取れない

3つ目は、チートデイが取れないということです。

これに関しては、あまり気にならないという方もいれば、絶望的に感じる方もいるかと思います。

ローファットダイエットの場合は糖質をがっつり摂るというようなチートデイを入れることができますが、ケトジェニックダイエットで糖質をがっつり摂る日を作ってしまうとケトーシスから抜けてしまいます。

ケトーシスから抜けてしまうと、そこからケトーシスに入るまでにまた時間がかかってしまいますので注意が必要です。

なので、ケトジェニックダイエットをされる場合は、始める前に好きなものを一通り食べておくようにしたほうがいいかと思います。

 デメリット4 筋出力が落ちやすい

4つ目は、筋出力が落ちやすいということです。

くどいようですが、人間の主なエネルギー源は糖質、脂質、クレアチンリン酸です。

そして、筋トレの際の主なエネルギー源は糖質です。

短期的なケトジェニックダイエットでは、筋肉量はあまり落ちないこともありますが、筋出力は落ちてしまいます。

糖質からのATP供給が出来なくなるからです。

ATP供給において、糖質の不足分をケトン体でカバーできるのは、おおよそ7割程度といわれています。

ですので、この筋出力が落ちやすいという部分に関しては致し方ないのかなと思います。

 デメリット5 個人差が大きい

5つ目は、個人差が大きいということです。

ケトジェニックダイエットを始めて3日でケトーシスに移行できる方もいますし、2週間くらいかかるような方もいます。

つまり、体質的に合う合わないというのが顕著に出ます。

自分がどのくらいの期間でケトーシスに入るのかを調べることができるケトスティックというツールもありますので、そういったもので客観的な指標を把握しておくと、2回目以降のケトジェニックダイエットでスムーズに進めていくことができると思います。

 デメリット6 ケトン臭が発生する

6つ目は、ケトン臭がしてしまうということです。

ケトン臭というのは、酸っぱいような甘酸っぱいような臭いで、ケトジェニックダイエットを行うことで、そのような匂いが毛穴や呼吸からしてくることがあります。

このケトン臭は、アセトンが希薄化して呼吸から排出されるものも一部ありますが、大部分はヒドロキシ酪酸やアセト酢酸が汗腺から分泌されて皮膚についたものが乾燥し、そこに菌が寄ってくることで臭いが発生するといったものです。

この臭いを防ぐために、様々なことが言われています。

クエン酸がいいとか酢酸がいいとか、ミネラル類がいいとか、グルタミンがいいとか…etc

しかし、ミネラル類やグルタミンに関しては理論的にも効果が薄いと思いますし、そういったエビデンスをみたことがありません。

ケトン臭を防ぐためには、酸性を中和させる必要があると考えられるため、クエン酸や酢酸に関しては有効であるといえます。

クエン酸や酢酸はその名前に“酸”がつくきますが、実は体内ではアルカリ性の働きをしてくれるのです。

では、なぜミネラル類やグルタミンが理論的には効果が薄いと思うのかというと、汗腺は隣接する皮膚血管によってミネラルバランスが保たれています。

この汗腺内のミネラルというのは常に一定の量が決まっているので、ミネラルを多く摂ったからといって、それがどんどん皮膚血管から汗腺内に流れ込むことははありません。

したがって、汗腺の中でケトン臭の元となるヒドロキシ酪酸やアセト酢酸を中和するためにミネラルを多く摂ることは効果が薄いのではないかということになるのです。

しかし、クエン酸や酢酸に関しては、汗腺内での量を増やすことができます。

実際に、汗で排出されるクエン酸の量が増えるということも観察されています。

なので、ケトン臭対策として色々と言われている中で、最も効果を発揮してくれる可能性が高いものはクエン酸や酢酸ではないかと思っています。

摂取量としては、1~1.5g程度を1日数回に分けて摂取していただけるといいかと思います。

というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「よく聞かれる質問」についてお話させていただこうと思います。
では、また!

前回記事はこちらから→なぜ痩せる!?”ケトジェニックダイエット”のメカニズム!!その②
次回記事はこちらから→なぜ瘦せる!?”ケトジェニックダイエット”のメカニズム!!その④

参考文献

  • [1]Ketogenic diet for obesity: friend or foe? Paoli A.(2014)
  • [2] Ketogenic diet for epilepsy treatment.Sampaio LP.(2016)
  • [3] New insights into the mechanisms of the ketogenic diet.Boison D.(2017)
  • [4] History of the ketogenic diet.Wheless JW.(2008)

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