なぜ痩せる!?“ケトジェニックダイエット”のメカニズム!! その①

栄養

こんにちはー!タニトです!

今回は、ケトジェニックダイエットについてお話させていただこうと思います。

今やダイエット方法も山のようにありますが、ケトジェニックダイエットもそんな無数にあるダイエット方法の中の一つです。

なんともカッコいい名前なので、内容は知らないという人でも“ケトジェニック”という名前自体は聞いたことがあるという方も多いのではないかと思います。

本題に入っていく前に、まずは前回ブログのクイズの答えから発表したいと思います。

正解は~~~~~~~

3番のボディビルディングでした。

筋肉を愛するがあまり、とんでもないサプリメントを作り上げてしまうなんて理想すぎます。

では早速、ケトジェニックダイエットについて書いていこうと思います。

ケトジェニックダイエットとは?

ケトジェニックダイエットというのは、一言で言うと糖質制限ダイエットの1つになります。

ケトジェニックというのは、糖の代わりにケトン体というものをエネルギー源にして体を動かすことをいいます。

これを用いたダイエット方法がケトジェニックダイエットなのです。

本来、僕たちの体では、安静時のエネルギーの約80%は脂質から作られ、残りの20%は糖質から作られています。

そして、運動をすることにより、脂質からの割合が減り、糖質からの割合が増えていきます。

基本的には、体を動かすATP(アデノシン三リン酸)の原料はクレアチンリン酸、糖質、脂質の3つしかないのですが、過度に糖質を制限したときに限り、ケトン体というものが体内で作られて糖質の代わりに体や脳を動かしてくれるようになります。

ケトン体とは?

では、このケトン体とはなんなのかというと、大きく3つありまして、

  • 3‐ヒドロキシ酪酸(78%)
  • アセト酢酸(20%)
  • アセトン(1~2%)

この3つを総称してケトン体と呼びます。

このケトン体の材料はなんなのかというと、

  • アミノ酸
  • 脂質

この2つが主な材料となっています。

“そりゃそうだろ”という話なのですが、本来体を動かす構成成分というのはタンパク質・脂質・炭水化物(P・F・C)です。

その中で、炭水化物を制限するわけなので、残りの2つがどうにかするしかないとうことになるのです。

しかしながら、全てのアミノ酸がケトン体になるのかというと、そうではありません。

ケトン体になれるアミノ酸というのは限られており、一般的にはロイシンとリジン、この2つがケト原生アミノ酸と言われていて、ケトン体の材料となるアミノ酸です。

細かく言うと、フェニルアラニン・イソロイシン・トリプトファン・チロシンといったアミノ酸もケトン体にはなれる(糖にもなれる)ので、ケト原生と言っても間違いではないのですが、基本的にはケトン体は上記2つから作られると思ってください。

よくあるケトジェニックダイエットの失敗例として、植物性中心の食生活を送られている方、ベジタリアンの方やご高齢で肉や魚を積極的には摂れていない方などのケースがあります。

こういった方に関して、ロイシンは大体のタンパク源で摂ることが出来るので不足はしにくいのですが、リジンは必須アミノ酸の中では不足しやすいアミノ酸で、特に植物性食品中心の食事では不足しやすいとされています。

なので、リジンが足りていなくてケト原生アミノ酸が不足している結果、ケトーシス(血中のケトン体濃度が高い状態)になりきらないといったことに陥ることがあるのです。

そして、このリジンというのは牛乳やチーズ、鶏肉や牛肉を普段から摂っていれば不足することは基本的にはありません。

以上のことから、乳製品や肉類を摂る習慣があまりない方は、「ロイシンはあるんだけどリジンがない」といった状態になりやすいので、ケトジェニックでダイエットを進めていきたい場合は、こういったところをまず初めに気を付けていただければと思います。

そして、もう1つのケトン体の材料が脂質です。

よく、「ケトジェニックダイエットを行うときはMCTオイル(中鎖脂肪酸)を使うといいよ~」といったことが言われますが、色々とある脂肪酸の中でなぜ中鎖脂肪酸がいいのでしょうか?

結論から言うと、“脂質の種類によって体内での代謝経路が異なるから”です。

中鎖脂肪酸は小腸から吸収された後、門脈というところを通って直接肝臓に辿り着きます。

しかし、それ以外の脂肪酸では、リンパ管や血管を通って、筋肉や細胞など体内のあらゆる場所に運ばれて、その中の一部がやっと肝臓に辿り着きます。

ケトン体が作られる場所というのは肝臓です。

肝臓で作られるケトン体は、体内で作られるケトン体の9割を占めています。

なので、ロスなく直接肝臓へと運ばれていく中鎖脂肪酸が最もケトン体の材料として使われやすいということになるのです。

よく、「ダイエット中は飽和脂肪酸の量を減らしたほうがいい」といったことが言われます。

中鎖脂肪酸も飽和脂肪酸なので、「中鎖脂肪酸も摂っちゃダメなんだ~」と思われる方もいるかもしれませんが、ケトジェニックダイエットをされている方やこれからしたいといった方に関しては、ここは無視していただいて構いません。

というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「押さえておきたい4つのルール・BHBとは?」についてお話させていただこうと思います。
では、また!

前回記事はこちらから→今さら聞けない”クレアチン”の科学!!その④
次回記事はこちらから→なぜ瘦せる!?”ケトジェニックダイエット”のメカニズム!!その②

参考文献

  • [1]Ketogenic diet for obesity: friend or foe? Paoli A.(2014)
  • [2] Ketogenic diet for epilepsy treatment.Sampaio LP.(2016)
  • [3] New insights into the mechanisms of the ketogenic diet.Boison D.(2017)
  • [4] History of the ketogenic diet.Wheless JW.(2008)

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