こんにちはー!タニトです!
前回に引き続き、全粒粉について書いていきたいと思います。
今回は、「健康における全粒粉の研究・全粒粉を摂取する際の注意点」についてお話させていただきます。
では、早速いきましょう!
健康における全粒粉の研究
ここでは、これまでになされた全粒粉に対する研究をいくつかご紹介していきたいと思います。
- Yangらの研究(2020)では、158,259人の女性と36,525人の男性が対象とされた。
結果、全粒穀物、および全粒朝食シリアル、オートミール、黒パン、玄米、添加ふすま、小麦胚芽などの一般的に食べられるいくつかの全粒食品の摂取量が多いことは、2型糖尿病のリスクの低下と有意に関連していると結論付けられた。 - Huangらによって行われたメタ分析(2015)では、全粒穀物または穀物繊維の摂取が非感染性疾患のリスク低下に関連している可能性があることが示された。
- 小西らの研究(2000)では、ラットに与えた飼料中の精製小麦粉を全粒小麦粉に置き換えると、血漿コレステロール値の低下と門脈内のSCFA(短鎖脂肪酸)レベルの増加が見出された。
- 34,492人の閉経後の女性を対象に6年間モニタリングされた研究(1999)によると、全粒穀物の摂取量が多いほどCVD(心血管疾患)による死亡率の低下と関連していた。
- 介入研究(2007)では、β-グルカンを含まない食餌を与えられた被験者と比較して、大麦由来のβ-グルカンを3〜6 g含む食餌を与えられた試験集団では、総血漿コレステロール含有量の減少が観察された。
- 1日あたり少なくとも3 gのオーツ麦β-グルカンを使用した28件のランダム化対照試験で行われたメタ分析(2014)では、これらのレベルのオーツ麦β-グルカンが低密度リポタンパク質(LDL)と総コレステロールの両方のレベルを低下させる可能性があると結論付けられた。
- 低繊維シリアル食または高繊維オートミールのいずれかを摂取する高血圧症の男女を対象としたランダム化並行グループ研究(2002)では、高繊維食を摂取した被験者の収縮期血圧と拡張期血圧の有意な低下が観察された。
- Schulzeらによって行われたコホート研究のメタ分析(2007)によると、穀物由来の食物繊維の摂取は糖尿病発症のリスクと逆相関していることが明らかなった。
- スタンフォード大学による研究(2022)では、18人の参加者を対象に、全粒穀物によく見られるアラビノキシラン(AX)という可溶性食物のサプリメントによる生理学的影響を検証した。
参加者は、第1週に1日あたり10グラム、第2週に1日あたり20グラム、第3週に1日あたり30グラムの繊維を摂取した。
結果、平均してAXの消費は、悪玉コレステロールとして知られる低密度リポタンパク質(LDL)の大幅な減少、およびコレステロールの減少に寄与する可能性のある胆汁酸の増加と関連しているとされた。 - 食物繊維と結腸直腸がんの発生率との関連を評価するために行われたメタ分析(2019)によると、穀物食物繊維の摂取量を1日あたり約10g増加させると、結腸直腸がんのリスクが9%減少することが示されている。
- オランダで実施されたニュートルらによるコホート研究(2009)では、全粒穀物の摂取レベルと、男性および女性の体格指数(BMI)および過体重および肥満のリスクとの間に逆相関が観察された。
- 7か国の16のコホートを対象としたオベスらによる異文化研究(2001)では、BMIと肩甲下の皮膚ひだの厚さが総食物繊維摂取量と逆相関していることが示され、食物繊維摂取量の減少が体脂肪の蓄積における重要な決定要因であることが示唆された。
- 体重、BMI、および人体計測に対する穀物のβ-グルカン摂取の影響を評価するために20の研究を使用して行われたメタ分析(2019)では、穀物源からのβ-グルカンの摂取が体重とBMIの大幅な減少につながることが確認された。
- 14人の被験者(男性7人、女性7人)を用いて行われたベックらによる研究(2009)では、1日あたり最低用量3.8gのβ-グルカンの摂取に応じて、コレシストキニンなどの食欲抑制物質の放出が示された。
全粒粉を摂取する際の注意点
ここまで、全粒粉の良い面ばかりをお伝えしてきました。
しかし、全粒粉を摂っていただく上で皆さんに一つ注意してほしいことがあります。
それは、小麦アレルギーを持っている方の摂取です。
小麦粉は、小麦アレルギーの方にはダメというのは当然分かると思いますが、全粒粉も中身は小麦粉とほとんど変わりません。
皮が付いてるか付いてないかだけの違いですので、小麦アレルギーの方は全粒粉を摂ったときもアレルギー反応は出てしまいます。
なので、そういった方は摂取していただくことは難しいと思いますので、もし皆さんの周りで小麦アレルギーを持っていて、全粒粉の摂取を検討しているという方がいれば、適切なアドバイスをしていただけたらと思います。
そして、少し余談になってしまうかもしれませんが、全粒粉の特徴として、表皮や胚芽からくる独特の香ばしさや少し歯ごたえのある感じというのが、苦手な方も中にはいらっしゃるかと思いますので、この辺は皆さんの生活リズムであったり、習慣に応じて変えられるところを少しずつシフトしていくといった意識が大切になってくるのかなと思います。
というところで、全粒粉についてでした!ご参考になれば幸いです!
では、また!
♦クイズ♦
この写真の組み合わせとして正しいものはどれでしょう?
1.上が強力粉・右下がグラハム粉・左下が全粒粉
2.上が強力粉・右下が全粒粉・左下がグラハム粉
3.上がグラハム粉・右下が強力粉・左下が全粒粉
4.上が全粒粉・右下が強力粉・左下がグラハム粉
正解は、次回のブログで!
前回記事はこちらから→[意外と知らない小麦粉と”全粒粉”の違い!!その②]
参考文献
1)Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies.Aune D, Keum N(2016)
2) Whole grain-rich diet reduces body weight and systemic low-grade inflammation without inducing major changes of the gut microbiome: a randomised cross-over trial.Roager HM(2019)
3) Whole-Grain Processing and Glycemic Control in Type 2 Diabetes: A Randomized Crossover Trial.Åberg S(2020)
4) Dietary Fibre from Whole Grains and Their Benefits on Metabolic Health.P NPV(2020)
5)Intake of whole grain foods and risk of type 2 diabetes: results from three prospective cohort studies.Hu Y(2020)
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