こんにちはー!タニトです!
今回もまた一つ、栄養の知識を増やしていきましょう!
今回は、オートミールについて書いていきたいと思います。
ダイエット中の炭水化物源として使われることの多いオートミール。
ここでは、なぜこのオートミールがダイエットに良いのか?そもそもオートミールとはなんなのか?などを少し深掘ってお話させていただこうと思います。
では、オートミールについて書いていく前に、まずは前回ブログのクイズの答えから発表したいと思います。
正解は~~~~~~~
1番の「5%」でした。
ロイシンからHMBへと変換されるのは結構狭き門なのです。
では、オートミールについて書いていこうと思います。
オートミールってなに?
オートミールというのは、燕麦(えんばく)という稲を脱穀し、加熱処理することで食べやすい状態にしたものになります。
例えば、お米であれば水を入れて1時間くらい炊飯しないと食べれないと思いますが、商品として売られている多くのオートミールは加熱処理までされているので、水を入れてレンジで1分ほどチンすればすぐに食べれる状態になります。
海外では健康食として古くから親しまれており、女優の方やモデルの方なんかも体系維持のために使っているということで一層注目を集めました。
最近では、日本でもその健康食ぶりが注目されていて、ダイエットをしたい方や筋トレをされている方を中心としてよく食べられている印象です。
そんな手軽に食べられるものなのに健康上のメリットがたくさんあるということで、それらについて書いていこうと思います。
オートミールを摂るメリット4選
様々な炭水化物源がある中でオートミールを選択するメリットは何なのかについてお話していきます。
今回、お話するメリットは4つあります。
少ない飽和脂肪酸量
まず、一つ目は飽和脂肪酸が少ないということです。
脂質は、それを構成する脂肪酸の形状から、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます(不飽和脂肪酸はさらに分けられていくのですが、ここでは割愛させていただきます)。
飽和脂肪酸は、脂質の酸化率が低いので、エネルギー消費効率も低くなります。
また、食事によって生じる熱エネルギーの発生(食事誘発性熱産生)も低いので、他の脂肪酸よりも太りやすくなるとされています。
また、身体に蓄積されやすい脂質でもあるため、飽和脂肪酸の摂取割合を低くすることで、ダイエット中にスムーズに体脂肪を落とすというところに繋がります。
低いGI値
2つ目は、GI値が低いということです。
おおよそ白米のGI値は84、パスタは65、蕎麦は59、玄米は56、オートミールは55となっています。
GI値というのは、同量の炭水化物を摂取した際の血糖値の上昇しやすさを示す指標です。
この数値が高ければ高いほど、血糖値が上がりやすいということになります。
血糖の濃度が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
そして、インスリントランスポーターという輸送体によって、糖やアミノ酸などが細胞内に取り込まれていくのですが、このときに脂肪酸も同じように取り込まれていくのです。
なので、その取り込みが一気に大量にされないように、血糖値を急激に上げすぎない低GIなものを選択し、吸収を緩やかにしていくことがダイエットには効果的とされているのです。
豊富な食物繊維、ビタミン・ミネラル
3つ目は、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富であるということです。
まず、そもそも食物繊維って1日に何グラム必要なの?というところですが、これは日本でもアメリカでも多くの国がある程度共通して推奨している摂取量があります。
この推奨量というのが1日あたり25gです。
しかし、これはあくまでこれくらい摂れたらいいよねという理想量であり、現代の我々が摂れている食物繊維の平均摂取量はおおよそ1人あたり10~15gといわれています。
つまり、推奨量には全然追いついていないということになります。
なので、厚生労働省が発表している食事摂取基準では、理想としては25gだけど目標値として最低これくらいは摂りましょうとしているのが18gになります。
食物繊維を摂ろうと思ったときにまず思い浮かべるのは野菜なんじゃないかなと思います。
しかし、野菜から必要量を摂ろうとしたときに、例えばダイコン100gで4g程度(不溶性・水溶性を合わせて)、レンコン100gで2g程度、ゴボウ100gで5.7g程度、カボチャ100gで2.8g程度、ニンジン100gで2.7g程度の食物繊維が含まれています。
仮に、ニンジンだけで食物繊維推奨量(25g)を摂ろうとすると、約1㎏も食べないといけないことになります。
馬ならペロリですが、人間でこの量はなかなかしんどいと思います。
もちろん、野菜には他の多くの栄養素が含まれており、重要な食事源ではあるのですが、意外と野菜から食物繊維は摂れにくいのです。
じゃあ何から食物繊維を摂るのがいいの?ということですが、ほとんどの人が野菜よりも炭水化物のほうが多く食べると思うので、いかに炭水化物から摂れるかを考えていく必要があると思います。
そして、食物繊維を多く含んでいる炭水化物はというと、これがまさにオートミールなのです。
オートミールには100gあたり9.4gの食物繊維が含まれているので、1日に200g食べると約20gの食物繊維が確保できるということになります。
また、食物繊維には水に溶けやすい性質を持つ水溶性食物繊維と水に溶けにくい性質を持つ不溶性食物繊維があります。
食材によってこの2種類の食物繊維のバランスは異なるのですが、オートミールでいうと100g中9.4gの食物繊維の内、水溶性食物繊維が3.2g、不溶性食物繊維が6.2gくらいの割合で含まれています。
まず、水溶性食物繊維についてですが、前述した通り水に溶けやすい性質があるので、体内に入って水に溶けると腸壁にへばりつくようにくっつきます。
そこに糖質が入ってくると、その糖質が素早く吸収されて急激に血糖値が上がってしまうことをへばりついた水溶性食物繊維が防いでくれます。
腸にへばりついた水溶性食物繊維には粘り気があるので、その粘り気に糖が引っかかることで吸収スピードがゆっくりになり、血糖値の上昇が緩やかになるといったメカニズムです。
これがGI値が低くなる正体です。
他にもLDLコレステロールを下げたり、血圧を下げるような効果もあるので、ご自身の体調や目的に応じてどれくらいの量を摂っていくのかをしっかりと考えていくべきところかなと思います。
次に、不溶性食物繊維についてですが、これは水に溶けにくい性質を持つので体内に吸収されないのだから摂る必要ないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、この性質にもちゃんとメリットがあるのです。
水にも溶けず、吸収されないということは摂ってもそのまま外に排出されるということになります。
便秘であったり、お腹はゴロゴロするけどなかなか便がでてくれないといった悩みを持つ方はたくさんいらっしゃるかと思います。
そういった方に対して、腸内のかさが増して、外に押し出してくれるといったパワーはポジティブに働きます。
なので、こういった便秘の解消であったり便通の改善といったところに機能してくれることが不溶性食物繊維の一番大きな働きであると思います。
それだけでなく、腸内細菌の善玉菌の餌となりプロバイオティクスを増やすといった効果があり、善玉菌を維持することで腸内フローラのバランスをキープしてくれるといった作用もあります。
なので、消化吸収の過程が...便通が...といった方は、この食物繊維を少し多めに摂っていたでいてもいいのではないかなと思います。
ビタミン・ミネラルに関しては殆ど全てと言っても過言ではないほど他の炭水化物よりも豊富に含まれています。
特に、代謝に関わるビタミンB1やカリウム・マグネシウムを中心としたミネラルが非常に多く含まれているので、ダイエット中はそもそも全体の食事量が少なく、ほかの食事からあまりビタミン・ミネラルが十分に摂れないといった場合にオートミールを積極的に摂っていくことで、ある程度のビタミン・ミネラルが補えるといった利点があります。
あとは、鉄分もかなり多く含まれており、オートミールに含まれる鉄分量を白米と比較するとおよそ39倍も含まれています。
たんぱく質含有量の多さ
4つ目は、たんぱく質の含有量が多いということです。
どれくらいかというと、オートミール100gあたり(水分を含ませて食べられる状態にしたもの)におよそ6.8gくらいあります。
他の炭水化物と比べてもここまで含有量が高いものはないのではないかと思います。
先ほどのGI値比較のところで並べたものでいうと、白米は2.5g、パスタは5.2g、蕎麦は4.8g、玄米は2.8g程度です(いずれも100gあたり)。
そして、含有量に加えて特徴的なのが、オートミールは植物性の完全たんぱく質といわれていて、アミノ酸スコアが100ということです。
アミノ酸スコアというのは、食材に含まれる必須アミノ酸の量をスコア化したものです。
必須アミノ酸9つ全てが、基準値を満たしていると、アミノ酸スコアは100となり、質の高いたんぱく質であるということになります。
動物性の食品では、アミノ酸スコアが100のものはたくさんあるのですが、植物性の食品だと100に届かないものが多くを占めます。
ちなみに、オートミール以外でアミノ酸スコアが100の植物性食品には大豆などがあります。
というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「子どもを対象として行われた研究」についてお話させていただこうと思います。
では、また!
前回記事はこちらから→一大ブームを作った“HMB”を語る!!その②
次回記事はこちらから→モデルや海外セレブも愛用“オートミール”の力!!その②
参考文献
- [1]栄養学雑誌 Vol.51 No.5 251~258 (1993) 食物繊維と消化・吸収機能/池上 幸江/国立健康・栄養研究所/Dietary Fiber and Function of Digestion and Absorption/Sachie Ikegami/The National Institute of Health and Nutrition
- [2]Oatmeal-Containing Breakfast is Associated with Better Diet Quality and Higher Intake of Key Food Groups and Nutrients Compared to Other Breakfasts in Children.Fulgoni VL 3rd, Brauchla M, Fleige L, Chu Y.(2019)
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