あまり知られていない“ウコン”の魅力!! その①

食材

こんにちはー!タニトです!

今回もまた一つ、栄養の知識を増やしていきましょう!

今回は、ウコンについて!

その中でも有効成分であるクルクミンというものを中心にお話をさせていただきます!

まだ3個目のテーマなのに、かなりマニアックな栄養素についてお話していきます。笑

では、その前に前回ブログのクイズの答えから!

正解は~~~~~~~

4番の馬の尿でした!

正解できたでしょうか?

科学の発見は色んなところからあるもんですね!

では早速、ウコンについて書いていこうと思います!

クルクミンとは?

クルクミンについてどんな作用があるのか?というところを中心にお話をしていこうと思うのですが、そもそもクルクミンと聞いてピンとくる人はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

お酒をよく飲まれる方だとウコンエキスのドリンクを飲むことも多いのかな思うのですが、その中に「クルクミン〇〇mg配合」などと書かれているものもあるのでウコンドリンクを経由してクルクミンの存在を知ったという方もいるのではないでしょうか?

このクルクミンはそういったウコンなどに含まれるポリフェノールの一種です。

食品としてもスパイスなどに含まれていて、ターメリックライスなどの黄色っぽい色がついている部分、あれがまさにクルクミンで、色素としても使われています。

このクルクミンは前述したようにウコンなどに含まれるポリフェノールなので、合成した添加物ではなく天然由来のものになります。

主な働き

このクルクミンを食事もしくはサプリメントから摂取した場合にどういった効果があるのかについてお話していきます。

クルクミンの効果は多岐にわたるのですが、その中でも主な効果であり、様々な研究ににおいても立証されている部分についてお話していきます。

 体脂肪量増加の抑制

まずは体脂肪量増加の抑制についてです。

予め言っておきたいのが、体脂肪量が8%とか10%の人がそこから体脂肪が乗るのを防ぐというよりは、一般的な体脂肪18%~25%程度の人がそれ以上体脂肪が増えないように働くような効果であるということです。

というのは、通常、人間の体内では恒常性(ホメオスタシス)といわれる機能が働いており、体内のあらゆる項目を一定に保っています。

体脂肪であれば、およそ18%~25%の範囲から低くなってしまっても高くなってしまっても体にとってマイナスな影響がでてしまうので、それが起こらないように一定の範囲に保とうとします。

しかしながら、食生活の乱れなどで脂質の多い食べ物をたくさん食べてしまい、白色脂肪細胞といわれる体に溜まりやすい脂肪を蓄えてしまうと、この白色脂肪細胞がアディポカインといわれるホメオスタシスを崩すような作用を持った物質を分泌してしまいます。

クルクミンにはこういった因子が増えてしまうのを抑制してくれる効果があるのです。

さらに、アディポネクチンやマクロファージといわれる脂質が増えないように、恒常性を保てるように働きかけてくれる因子の数を増やしてくれるという効果もあります。

なので、食生活が乱れてホメオスタシスが崩れ、一定の範囲以上の脂肪がついてしまうのを抑制してくれる効果がクルクミンにはあるのです。

実際に、生活習慣病の予防にかかわるクルクミンの効果に関して100件以上の研究がなされていて、それに基づいて論文が発表されているのですが、その中の多くはクルクミンの効果を肯定するものです。

しかし、中にはクルクミンを人間が摂取したとしても脂肪を増加させないという効果はあまりないのではないか?といった否定的な論文もあります。

このクルクミンの効果に否定的である論文の多くは「吸収」という部分を問題にしています。

どういうことかというと、通常我々がクルクミンを摂取する場合、医薬品ではなく食品として摂取するので摂取様式としては経口摂取という形になります。

口から入って、消化管を経由し、そこから血液中に運ばれます。

そうして血液中に運ばれることで初めて効果が発揮されます。

しかし、このクルクミンは小腸などの消化管からの吸収率が低いといわれていて、吸収率が低い以上十分な効果は発揮できないのではないかという意見があるのです。

これに関しては、クルクミンを微細化することで吸収率を高められるという研究が最近なされており、吸収に関する否定的な意見をカバーできるとされています。

しかしながら、微細化したクルクミンは食品やサプリメントなどの商品としてはあまり多く市場に出回っていないので、今後の展開に注目したいところです。

 トレーニング後の筋疲労の減少

次に、トレーニング後の筋疲労の減少についてです。

クルクミンには運動誘発性の筋損傷による疲労を減らすことができ、速やかに筋肉を回復させることができるという効果があります。

サウスカロライナ大学が発表したクルクミンとトレーニング後における筋肉の回復に関しての論文では、マウスを対象にして150分間の運動をさせた後、24時間、48時間を経過観察して、どういう風に筋肉の損傷度合が変化したのかというのをみました。

下り坂を走らせた運動と登り坂を走らせた運動で、それぞれプラセボグループとクルクミンを摂取したグループで血中のクレアチンキナーゼ量を比較しています。

通常クレアチンキナーゼは骨格筋や心筋に蓄えられているのですが、細胞の破壊や筋肉の損傷によって血中に運び出されるので、血中のクレアチンキナーゼ量を測定することでどれくらい筋肉が損傷したのかというストレスマーカーになります。

この実験の結果、プラセボグループと比較してクルクミンを摂取したグループは血中のクレアチンキナーゼ量が半分になっていました。

しかし、登り坂の48時間後ではプラセボグループとクルクミン摂取グループでそこまで変化がなかったとの結論になっています。

ということは、例えばスポーツの試合を控えた方で1週間に何試合もあり、試合後になるべく早く休息をさせて筋肉を回復させたいといった状況にある方は、クルクミンを摂取することによって普段よりも早く筋肉の損傷を回復させることが可能であると考えられます。

普通のウエイトトレーニングで1部位週1回といったペースでされている方であればクルクミンを摂らなくても十分に回復させてから再び同じ部位のトレーニングができると思います。

なので、クルクミンを摂るメリットがよりあるのは、ウエイトトレーニングを常時されている方というよりは何かスポーツをされていて一定の期間に数回の試合があるといった方なのかなと思います。

 2型糖尿病の予防

2型糖尿病は、世界中でパンデミックの次元に達した代謝性疾患です。

2型糖尿病が予防可能な病気であることはよく知られているため、新しい2型糖尿病症例の発生率を下げることは、糖尿病の世界的な影響を減らすための重要な戦略となる可能性があります。

現在、 2型糖尿病の予防と管理のための薬用植物サプリメントの使用の有効性に関する証拠が増えてきています。

これらの薬用植物の中で、クルクミンは科学界でますます関心を集めています。

クルクミンには、研究で説明されているさまざまな薬理学的および生物学的効果があり、動物実験では、クルクミン抽出物は糖尿病の発症を遅らせ、インスリン抵抗性を低下させる効果があるとされています。

近年、発展途上国では糖尿病の有病率が69%増加しましたが、先進国では2010年から2030年の間に20%の増加が見込まれています。

2型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌および標的組織に対するインスリン効果の欠陥を特徴とする慢性および代謝性疾患であり、高血糖の持続状態を生成し、代謝変化、細胞死および炎症を誘発します。

2型糖尿病に関連する罹患率と死亡率の増加は、心血管疾患、腎症、網膜症などの血管合併症に関連していることがよくあります。

いくつかの研究では、クルクミンが2型糖尿病の病理学的事象を改善することを示しています。

2型糖尿病やメタボリックシンドロームの根本的な病理としてインスリン抵抗性があります。

Etalらによる研究では、クルクミンがインスリン抵抗性において予防的役割を果たす可能性があることが示され、クルクミンがインスリン抵抗性に対抗できると報告されました。

特に、クルクミンは脂質代謝の調節に関与しています。

クルクミンはペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γの活性化を増加させることも示されています。

これはLDLコレステロール受容体遺伝子の発現を抑制し、それによって血漿LDLコレステロール濃度を低下させる可能性があることを意味します。

さらに、クルクミンは、トリグリセリドに富んだリポタンパク質の合成および異化の両方に影響することが予想されています。

したがって、クルクミンの補給は、脂質生成遺伝子の発現を軽減することにより、血漿トリグリセリドとコレステロール濃度を低下させる可能性があるのです。

そして、クルクミンの抗高血糖および抗高脂血症効果は、31日間のヨーグルト製剤中のクルクミン補給(30〜90 mg / kg体重)後の糖尿病ラットで実証されています。

他の多くのデータにおいても、クルクミンが高脂肪食ラットの血糖および脂質異常症を減少させることを介して、インスリン感受性を改善することができることが示されています。

また、酸化ストレスも2型糖尿病の病因に関連していますが、酸化的損傷に対するクルクミンの保護効果も証明されています。

クルクミンは、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素レベルの正常化を通じて脂質過酸化を低減します。

実際の研究でも、クルクミン誘導体であるテトラヒドロクルクミン(80 mg / kg体重)を45日間投与すると、空腹時血糖が低下し、糖尿病ラットの抗酸化力が増加したとの報告があります。

また、Usharaniらは、クルクミンカプセル(300 mg)を8週間補給した2型糖尿病患者において、アトルバスタチンに匹敵する抗酸化状態の改善を報告しました。

また、炎症も2型糖尿病とその合併症の発症に重篤な影響を及ぼします。

糖尿病の動物モデルに関するいくつかの研究では、クルクミン投与が血清中の炎症性因子の数を減少させることが示されています。

また、Chuengsamarnらは、 240人の前糖尿病患者に対しランダム化二重盲検プラセボ対照試験を行いました。

すべての被験者は、クルクミン(250 mgクルクミノイド/日)またはプラセボカプセルのいずれかを9か月間投与するようにランダムに割り当てられました。

この期間の後、プラセボグループの被験者の16.4%が2型糖尿病と診断されましたが、クルクミンを投与されたグループでは、糖尿病と診断された被験者はいませんでした。

また、Naらは、ランダム化比較試験を実施して、糖尿病ラットで以前に発見されたヒト血糖の改善に対するクルクミンの効果を研究しました。

100人の太りすぎ/肥満の2型糖尿病患者は、3か月間、クルクミン補給(300 mg /日)グループまたはプラセボグループにランダムに分けられました。

この試験では、クルクミン補給グループは、空腹時血糖、インスリン抵抗性、HbA1cの有意な減少、血清トリグリセリドと総遊離脂肪酸(FFA)の減少、およびリポタンパク質リパーゼ活性の改善を達成しました。

これまでに報告されたデータから、クルクミンが糖尿病とその合併症に対抗する治療の可能性を持っていることが示されています。

また、1日あたり最大12gのクルクミンの用量が安全で、忍容性があり、毒性がないことが多くの研究で示されています。

しかし、クルクミンがその効果を発揮する機能的メカニズムは、糖尿病という病気の複雑さのために、完全には明らかになっていません。

これらの臨床試験に基づくと、クルクミンの臨床効果は有望であるように思われますが、糖尿病前症と2型糖尿病患者に対するクルクミンとその特定の投与量の影響を明確化するためには、さらなる臨床試験が必要になるとされています。

というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「摂取する上で注意点すること」についてお話させていただこうと思います。
では、また!

前回記事はこちらから→女性の味方“イソフラボン”の働きとは!?その③
次回記事はこちらから→あまり知られていない“ウコン”の魅力!!その②

参考文献

  • [1]Curcumin effects on inflammation and performance recovery following eccentric exercise-induced muscle damage(2007)
  • [2]Curcumin (Turmeric) and cancer.Unlu A、Nayir E、Dogukan Kalenderoglu M、Kirca O、OzdoganM。(2016)
  • [3]Efficacy and safety of turmeric and curcumin in lowering blood lipid levels in patients with cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized controlled trials.Qin S、Huang L、Gong J、Shen S、Huang J、Ren H、HuH。(2017)
  • [4]Curcumin: Biological, Pharmaceutical, Nutraceutical, and Analytical Aspects.Kotha RR、Luthria DL(2019)

コメント

タイトルとURLをコピーしました