本当に凄い“カテキン”のポテンシャル!! その①

栄養素

こんにちはー!タニトです!

今回もまた一つ、栄養の知識を増やしていきましょう!

今回は、カテキンについて。

「カテキンという名前は聞いたことがあるし、なんとなく体に良いことは知ってるけど、具体的にはどんな働きを持っているのかなんて知らない」という方は結構いらっしゃるのかなと思います。

なので、今回はカテキンが持つ素晴らしい作用について解説させていただこうと思います。

本題に入る前に、まずは前回ブログのクイズの答えから。

正解は~~~~~~~

3番の1日25g以上でした。

健康のための推奨量はダイエットに効果的な有効量でもあるのです。

では早速、カテキンについて書いていこうと思うのですが、カテキンを語る前にまずはざっくりとだけお茶について書かせてください。

お茶の概要

皆さんご存じのお茶は世界で最も一般的に消費されている飲み物の1つです。

その中でも、緑茶はますます人気が高まっており、世界のお茶の総生産量の約20%を占めています。

お茶はカメリアシネンシスという植物から生産され、全世界30カ国以上で栽培されています。

ちなみに、茶樹を育てるのに最適な地域は、特定の熱帯および亜熱帯地域とされています。

生産される主なお茶の種類は、白茶、緑茶、ウーロン茶、紅茶の4種類です。

お茶の種類は、茶葉の加工方法、特に乾燥法と発酵法によって決まります。

白茶は最も加工が少なく、非常に若い葉と葉のつぼみを使用しています。

そして緑茶は、発酵せずに、より成熟した葉から作られます。

ウーロン茶は葉を部分的に発酵させて製造され、紅茶は葉を完全に発酵させて製造されます。

緑茶は、中国、日本、韓国で最も一般的に消費されており、紅茶はアメリカとイギリスで最も一般的に消費されています。

というところで、お茶の話はこのくらいにして、ここからカテキンについて書いていきたいと思います。

カテキンとは?

そもそも、このカテキンとは何なのかというと、緑茶などに含まれるポリフェノールの一種です。

カテキンには大きく分けて4つの種類があります。

  • エピカテキン(EC)
  • エピガロカテキン(EGC)
  • エピカテキンガレート(ECG)
  • エピガロカテキンガレート(EGCG)

なんともややこしい名前ですが、この中でも最も抗酸化力が高く、特に素晴らしい働きをするのがエピガロカテキンガレートになります。

エピガロカテキンガレート、略してEGCGと呼ばれています。

今回は、カテキンの中でもこのEGCGを中心に書いていこうと思います。

カテキンは体脂肪を減少させる

様々な栄養成分による研究で体脂肪が減少したという報告はたくさんありますが、カテキンによる研究も数多く報告されています。

例えば、1日に400~600㎎のカテキンの摂取を3か月間続けると平均して体脂肪が950g減少したという報告があります。

これは、カテキン摂取による体脂肪減少効果を調べた14個の研究を統計的に解析したメタアナリシスという研究手法による結果なので、かなり信憑性の高いものになると思います。

では、なぜカテキンが体脂肪の減少に寄与するのでしょうか?

そのメカニズムを解説していきたいと思います。

体脂肪を減少させるメカニズム

メカニズムは大きく分けて2つあります。

まず、1つ目は褐色脂肪細胞を活性化することができるということです。

褐色脂肪細胞、あまり聞き馴染みのない単語だと思います。

これは、簡単に言うと身体を温めるような熱エネルギーを生み出す脂肪細胞の一つです。

この褐色脂肪細胞を活性化できるとどういった働きが起きるのかというと、大きななところで食事誘発性熱産生(DIT)が増えます。

人間は基本的に、基礎代謝・活動代謝・食事誘発性熱産生によってカロリーが消費されます。

食事誘発性熱産生というのは、食事をすることによって熱エネルギーが生じるといったものです。

なので、褐色脂肪細胞が活性化して食事誘発性熱産生が増えると脂質からの消費カロリーを稼ぐことができるため、体脂肪が減りやすくなるのです。

そして、2つ目が脂肪を分解してそれをATPにスムーズに変換することができるということです。

身体に蓄えられている体脂肪というのは、そのままではエネルギーとして使うことができません。

脂肪は、ホルモン感受性リパーゼというものの働きによって脂肪酸に分解されます。

そして、その脂肪酸がβ酸化という働きを経て細胞内でエネルギーとして作り変えられます。

カテキンは、このホルモン感受性リパーゼとβ酸化の働きを活性化する作用があるので、脂肪をエネルギーへとよりスムーズに変換させることができるようになります。

そして、カテキンの中でもこの作用が最も強いのがEGCGなのです。

緑茶をがんがん飲めば痩せる!?

緑茶に含まれるカテキンの内、約60%がEGCGであるとされています(ちなみに残りの40%の内、20%がEGC、14%がECG、6%がECというのがおおよその内訳となります)。

じゃあ緑茶ばっかり飲んでたら何もしなくても勝手に痩せるんじゃ?といわれるとそういうわけではありません。

当然の話ですが、消費カロリーよりも摂取カロリーのほうが多い状態なのに体脂肪が減っていくといったことは基本的には起こり得ません。

脂肪を減らすためには、食事管理や運動をし、消費化カロリー>摂取カロリーの状態を作っていくことが必要になります。

そして、カテキンによる体脂肪減少効果を調べた研究の対象となっている方は、やや肥満気味である方がほとんどです。

なので、腹筋が見えているくらいの体脂肪率の方がカテキンを摂取して、そこからさらに脂肪が削りやすくなるのかというのは、まだまだ明らかになっておらず、これからの研究に期待されるところです。

さらに、痩せる飲み物だからといって緑茶をあまりがばがば飲みすぎるのは良くないのではないかという懸念点もあります。

その懸念点というのがカフェインの摂取量です。

カフェインには、これ以上摂ると健康に何かしらの害が生じるかもしれませんよという量があり、上限量も明確に定められています。

厚生労働省が発表している食事摂取基準での摂取上限量が1日400㎎です。

緑茶にはカフェインが含まれており、ものによってばらばらなのですが、玉露で160㎎、抹茶で48㎎、煎茶・ほうじ茶で20㎎、番茶・玄米茶で10㎎くらいが含まれています(いずれも100mlあたり)。

なので、こういったカフェインの量を加味すると1日に多くても1~1.5ℓくらいが、含有量の少ない番茶や玄米茶を摂るにしても上限にしておいたほうがいいのかなと思います。

もちろん、カフェイン耐性の高い方弱い方がいらっしゃると思うので、人によってはもう少しカフェインを摂っても問題ないという方もいますし、400㎎だと少し多すぎるという方もいると思います。

なので、この辺の調整に関しては、ご自身の体質や生活環境に応じて変えていっていただければと思います。

というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「トレーニングやスポーツをされている方への嬉しい働き・様々な疾病に対する働き・臨床応用への期待・EGCGサプリメント」についてお話させていただこうと思います。
では、また!

前回記事はこちらから→モデルや海外セレブも愛用“オートミール”の力!!その②
次回記事はこちらから→本当に凄い“カテキン”のポテンシャル!!その②

参考文献

  • [1]Green tea catechin, epigallocatechin-3-gallate (EGCG): mechanisms, perspectives and clinical applications.Singh BN, Shankar S, Srivastava RK.(2011)
  • [2]Beneficial Properties of Green Tea Catechins.Musial C, Kuban-Jankowska A, Gorska-Ponikowska M.(2020)
  • [3]Green Tea Catechins: Their Use in Treating and Preventing Infectious Diseases.Reygaert WC.(2018)
  • [4]Beneficial Effects of Green Tea Catechins on Neurodegenerative Diseases.Pervin M, Unno K, Ohishi T, Tanabe H, Miyoshi N, Nakamura Y.(2018)
  • [5]Green Tea Extracts Epigallocatechin-3-gallate for Different Treatments.Chu C, Deng J, Man Y, Qu Y.(2017)

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