こんにちはー!タニトです!
前回に引き続き、シトルリンについて書いていきたいと思います。
今回は、「さらなるシトルリンの可能性」についてお話させていただきます。
では、早速いきましょう!
さらなるシトルリンの可能性
ここからは、さらなるシトルリンの可能性についてお話をしていくと共に、このシトルリンによってプラスで作られるアミノ酸が体内でとても重要な役割を果たしますよ~というところについても書いていきたいと思います。
前回ブログでお話した研究というのは、事前にプロテインの摂取や他の形で必須アミノ酸を体に貯めるということはせず、純粋に非必須アミノ酸とシトルリンを摂った場合と非必須アミノ酸のみを摂取した場合とを比べると、前者のほうがmTORの活性をより促したというものでした。
この研究にタンパク質をプラスすると、さらにmTORの活性が促されると共に、ユビキチンプロテアソームと呼ばれる筋分解を促してしまうものの活性を抑制できるということも分かっています。
そして、前回お伝えした4つの理由からシトルリンによって筋肥大が促されたり、パフォーマンスの向上が期待できるだけではなく、シトルリンを摂ることによって別の非必須アミノ酸の生産量が体内で増えるんじゃないかという研究が最近多くなされています。
この非必須アミノ酸が何かというと、チロシンというアミノ酸です。
チロシンは非必須アミノ酸ですので、本来体内で作ることができます。
何から作られるのかというと必須アミノ酸のフェニルアラニンから合成されます。
シトルリンを摂取した場合としていない場合とを比べると、このフェニルアラニンからのチロシンの合成量というのは、摂取した場合のほうが顕著に上がることが分かっています。
シトルリンは、直接筋肉の材料になるようなアミノ酸ではないと言いましたが、チロシンというのはかなり筋肉と密接に関わっているので、ダイエットをしている方なんかも是非、このチロシンとうものを意識していただきたいなと思います。
分かりやすいところで言うと、チロシンはアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の直接的な材料になります。
アドレナリンが高ぶっていると交感神経系が活発になりトレーニングに対して集中が出来ますし、血管が拡張して血流量が増えていくというような傾向もあります。
また、鬱病を患っているかたの中には、ドーパミン(俗に言う幸せホルモン)が分泌されにくくなっていることが発症に引き金になっているという場合もあります。
なので、ドーパミンを生活リズムに合われて分泌させていきやすい環境を作っていくことで、精神の安定化を図り、ひいてはそれがトレーニングやダイエットなどで過酷な状況に追い込まれているときにストレスがかかってコルチゾールが分泌されて筋分解が促進されてしまうといったことを防いでくれるんじゃないかなと思います。
そして、もう一つのチロシンの大きな役割というのが、甲状腺ホルモンの安定化です。
甲状腺ホルモンというのは、各臓器内で基礎代謝のコントロールするという大きな役割を持っています。
この甲状腺ホルモンが極端に少なくなってしまうと、基礎代謝が低下したりするので、ただでさえ基礎代謝の落ちやすいダイエット中は甲状腺ホルモンの活動レベルをしっかりと保てせておいて、省エネモードになりやすい状況の中で一定の基礎代謝量をキープするためにチロシンの働きが必要不可欠になります。
そして、シトルリンがパフォーマンスを上げるといっても、ATP供給を増やすことによって、具体的にはどのくらいパフォーマンスを上げることが出来るのでしょうか?
一番分かりやすいなと思ったもので、4㎞の自転車競走でシトルリンを摂ったグループと摂っていないグループを比較した研究がありました。
被験者数は22名で少なくも多くもないといった感じです。
シトルリンを摂るグループは7日間連続で1日当たり2.4gのシトルリンを摂取しました。
以前に「摂取量とタイミング」の章でお伝えした量からするとかなり下限のラインかなと思いますが、結果としては、プラセボ群と比較して平均で1.5%タイムが短くなりました。
4㎞走で1.5%タイムが縮まるということは、分かりやすくパフォーマンスに差が出ていると言えると思います。
まだまだ、パフォーマンス向上に関しての強いエビデンスが確立されるためには、さらなる研究が必要ではあると思いますが、現状でも特に有酸素系の運動に関してシトルリンがパフォーマンスを上げてくれるということはほぼ間違いはないのかなと思います。
以上、シトルリンについてでした!
アミノ酸といっても、色々なアミノ酸があって、必須アミノ酸に関しては大事だということは分かっているけど、なかなか非必須アミノ酸というマニアックなところには目が向かないという方もたくさんいらっしゃるかと思いますので、このブログを通して知っていただけたら嬉しいです!
では、また!
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Q.スイカに多く含まれるシトルリンですが、次の内、美味しいスイカの見分け方として正しいものはどれでしょう?
- 大きければ大きいほど美味しい
- 綺麗な球体に近いものほど美味しい
- 縞模様がはっきりとしているものほど美味しい
- 見た目の割に軽いものほど美味しい
正解は次回のブログで!
前回記事はこちらから→「運動能力を向上”シトルリン”の能力!! その②」
次回記事はこちらから→「いる?いらない?”水素水”の真実!! その①」
参考文献
- [1]Citrulline: from metabolism to therapeutic use. Bahri S(2013)
- [2] Therapeutic Potential of Citrulline as an Arginine Supplement: A Clinical Pharmacology Review. Rashid J(2020)
- [3] A critical review of citrulline malate supplementation and exercise performance. Gough LA(2021)
- [4] The Effects of Oral l-Arginine and l-Citrulline Supplementation on Blood Pressure. Khalaf D(2019)
- [5] Effect of citrulline on post-exercise rating of perceived exertion, muscle soreness, and blood lactate levels: A systematic review and meta-analysis. Rhim HC(2020)
- [6] Citrulline, Biomarker of Enterocyte Functional Mass and Dietary Supplement. Metabolism, Transport, and Current Evidence for Clinical Use. Maric S(2021)
- [7] Acute Effect of Citrulline Malate on Repetition Performance During Strength Training: A Systematic Review and Meta-Analysis. Vårvik FT(2021)
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