こんにちはー!タニトです!
今回は、イソフラボンについてお話をさせていただきたいと思います!
では、その前にまずは前回のクイズの答えから発表したいと思います!
- 牛肩ロース→5.6㎎/100㎎
- 牛バラ→3.0㎎/100㎎
- 牛もも→4.0㎎/100㎎
- 牛レバー→3.8㎎/100㎎
ということで、正解は1番の牛肩ロースでした!
ググらずに正解できた方はいるでしょうか?
では、早速、イソフラボンについて書いていこうと思います!
閉経ってなに?更年期ってなに?
女性ホルモンと似た作用のあるイソフラボンについてお話していくのですが、それにあたり閉経や更年期といった用語が度々出てくるので、まずはそれらについて簡単に説明していこうと思います。
閉経というとどういったイメージをお持ちでしょうか?
ざっくりと「生理が終わる」ものと思っている方も多いかと思いますが、実はちゃんとした定義があります。
閉経とは、卵巣の機能が低下していき、最終の月経から12か月間以上月経が無いときに、その1年を振り返って閉経と呼ばれています。
そして、その閉経から前後の5年間つまり合わせて10年間の期間が更年期と呼ばれています。
では、閉経は大体何歳くらいに起きるのかご存じでしょうか?
閉経の平均年齢は50.5歳といわれています。
つまり平均して40代半ば~50代半ばにかけてが更年期にあたります。
もちろん、個人差があるので一概には言えませんが、大体50歳前後であることが多いです。
しかし、最近では30代から更年期が始まっている方もいるので、心当たりのある方は、一度医療機関に検査をしに行くことおすすめします。
そして、この更年期の辺りで女性ホルモンであるエストロゲンが急激に低下していきます。
それに伴い、体にも様々な変化が生じるのですが、閉経後も人生はまだまだ続いていくので、自分自身の身体と向き合っていく必要があります。
更年期の症状とは?
更年期の方の多くが抱えられる症状として、肩こり、疲れやすさ、頭痛、のぼせ、腰痛、汗をかくなどがあります。
こういった症状が出たときに、どうしたら良くなるのでしょうか?
病院に行くとホルモン注射など打たれることが多いのかなと思います。
薬を使わない方法では、食事・運動・睡眠・ストレス解消といった心身ともに健康なライフスタイルを送ることがまずは大事になります。
ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが増えるのですが、コルチゾールとエストロゲンには反比例の関係があり、コルチゾールが増えるとエストロゲンは減り、コルチゾールが減るとエストロゲンが増えます。
なので、ストレスを減らすということはとても重要なポイントになります。
睡眠は十分に確保できているか、適度な運動習慣があるか(筋トレやヨガなどが効果的とされています)、ストレスを貯めこんでいないかなど、今一度自身のライフスタイルを見直してみるといいかもしれません。
更年期に備えた栄養素
閉経前後の更年期に備えた栄養素として、
- カルシウム
- ビタミンD
- ビタミンK
- 植物性エストロゲン
などがありますが、今回は植物性エストロゲンに含まれるイソフラボンについてお話を進めていきます。
イソフラボンをいうと思い浮かぶのはやはり大豆イソフラボンだと思います。
なので、ここでは植物性エストロゲンの中でも大豆イソフラボンについてお話していきます。
先ほど、閉経後には体にも様々な変化が生じるといいましたが、その一つとして、骨粗鬆症、乳がん、脂質異常症、高血圧、糖尿病などの疾患を発症するリスクが増えるといわれています。
イソフラボンは化学防御作用があると考えられており、乳がんや前立腺がん、心血管疾患、骨粗鬆症、更年期症状など、さまざまな種類のがんを含む幅広いホルモン障害の代替療法として使用できるとされています。
食品安全委員会が発表している、大豆イソフラボンアグリコンの1日摂取目安量の上限値は70~75㎎/日とされています。
アグリコンってなに?と思われた方もいると思いますが、これに関しては次回の記事にて少し詳しく説明させていただきます。
イソフラボンが健康にもたらす影響
心血管疾患
大豆製品を大量に消費する人口では、心臓病の発生率が低いことが報告されています。
心血管疾患には関連する多くの危険因子がありますが、一つの大きな要因は脂質の異常です。
低密度リポタンパク質(LDL)が多すぎると血管壁に浸透し、そこで活性酸素によって酸化されます。
酸化したLDLが蓄積し、塊となると血管が次第に塞がれ、塊が破裂すると血栓症を引き起こしてしまいます。
その血栓症が冠動脈で生じ、心臓への酸素供給が途絶えるのが心筋梗塞です。
そして、大豆タンパク質には、このLDLコレステロールを低下させることがわかっているのです。
正常な動脈機能を維持することは、心血管疾患の予防に重要な役割を果たします。
心血管疾患のリスクが高い人では、血管内皮細胞が一酸化窒素に反応して血管が拡張するという能力が低下します。
その血管内皮細胞とイソフラボンは非常に相性が良いことも分かっています。
しかしながら、これまでに実施された研究の結果はあいまいです。
閉経後の女性に、1日あたり最大80 mgの大豆イソフラボンを摂取させた研究では、血管拡張能力は改善されませんでした。
しかし別の研究では、閉経後の女性に大豆イソフラボン80 mgを5週間毎日摂取させたところ、動脈硬化は大幅に減少しました。
しかし、同じ量のイソフラボンを6か月間服用している高血圧症の被験者での最近の研究では、動脈機能の改善は証明されませんでした。
このように研究によりかなりのばらつきがあるのです。
そこで、Liuらは、入手可能なデータをかき集め統計的に解析(メタアナリシス)したところ、大豆イソフラボン65〜153 mgを大豆タンパク質と一緒に1〜12か月間摂取すると、高血圧患者の血圧が低下すると結論付けました。
骨粗鬆症
閉経期には、骨粗鬆症を引き起こす可能性のある骨密度の低下が起きやすいとされています。
大豆イソフラボンは、理論的には、人生のこの段階にある女性の良好な骨の健康(質量、ミネラル密度、骨構造)の維持に寄与する可能性があるため、有益であるとされています。
ランバートらによって報告された26個の試験(合計2652人)を対象としたのメタアナリシスでは、イソフラボンが、主に腰椎と大腿骨頸部のレベルで、エストロゲンレベルが低い女性の骨破壊を弱めることができるという証拠が裏付けられています。
彼らはまた、アグリコンとして投与された場合、イソフラボンの効果がより大きくなることも報告しています。
また、52個の試験を対象とした(合計5313人)別のメタアナリシスでは、体重や民族性に関係なく、大豆イソフラボンが大腿骨頸部、腰椎、股関節の骨塩密度に有益な効果があることが示されています。
閉経後の女性(合計6427人)を対象とした63個の試験のメタアナリシスでも、イソフラボンが閉経期の女性の腰椎、大腿骨頸部、および橈骨遠位端の骨密度を改善すると結論付けられています。
これらの結果を考慮すると、骨の健康、ひいては閉経後の女性の骨粗鬆症の予防と治療に対するイソフラボンの有益な効果を裏付ける科学的証拠があると結論付けることができます。
イソフラボンの作用機序は完全には解明されていませんが、イソフラボンは骨破壊の速度を低下させるだけでなく、骨形成の速度も増加させるようです。
乳がん
大豆イソフラボン摂取(10 mg /日)は、乳がん死亡のリスクを9%低下させるとの報告もあります。
Micekらはイソフラボン摂取と乳がん死亡率およびその再発との関連を調査することを目的として、15のコホート研究でメタアナリシスを実施しました。
結果として、イソフラボン摂取と乳がん死亡率および再発低下の両方に有意な相関があることを発見しました。
さらに、Qiuらは、乳がんの女性37,275人を対象とした12の研究を分析したところ、診断前の段階で大豆イソフラボンを摂取していることが、生存に影響を与える可能性があることを報告しています。
これらの研究により、イソフラボンの摂取により乳がん死亡率や再発のリスクが低下することがわかりましたが、この研究を確定するにはさらなる研究が必要であるとしています。
子宮がん
子宮がんの場合、エストロゲンとプロゲステロンのレベルの長期的な不均衡ががんの形成に大きく寄与するとされています。
したがって、エストロゲン活性を提供するイソフラボンの投与は、子宮がんの予防となる可能性があります。
Xuらは、健康な女性と比較して、子宮がんに苦しむ女性のイソフラボン摂取量が少ないことを報告しました。
Zhongらは、3個の前向きコホート研究と10個のケースコントロール研究(合計178,947人)を対象としたメタアナリシスで、大豆製品とマメ科植物からのイソフラボン摂取が子宮内膜がんリスクの19%の減少と関連していると報告しました。
Grossoらは、3個の前向き研究と5個のケースコントロール研究を対象としたメタアナリシスで、イソフラボンの摂取が子宮内膜がんのリスクを低くすることを示唆しています。
ただし、より強力な証拠を得るには、さらに多くの研究が必要としています。
卵巣がん
5個の前向きコホート研究と7個のケースコントロール研究(合計6275人) を対象としたメタアナリシスでは、イソフラボンの摂取が卵巣がんのリスクを33%減少させることが示されています。
前立腺がん
メッシーナらは、前立腺がんの患者では、イソフラボンサプリメントが8件の研究のうち4件で好影響を与えたと述べています。
さらに、Yanらは、8つの研究のメタアナリシスから、イソフラボンの摂取が前立腺がん形成のリスク低下に関連していると結論付けています。
しかし残念ながら、疫学研究では、イソフラボン摂取と前立腺がん形成の低リスクとを関連づける明確な証拠はわかっていません。
結腸直腸がん
18の研究を対象とした(合計559,486人) メタアナリシスを実施した結果、イソフラボンが豊富な食品の定期的な摂取が結腸直腸がんの発生率を減少させるかもしれないことが示されました。
さらに、この結果は、閉経前の女性よりも閉経後の女性でより顕著でした。
Yuらは、13個のケースコントロール研究と4個の前向きコホート研究のメタアナリシスを発表しました。
その結果、大豆イソフラボンの摂取により結腸直腸がんの発症リスクが23%減少したことが明らかになりました。
このようにイソフラボンは、悪性細胞の増殖と分化における抗酸化作用があるため、潜在的な抗がん化合物として作用する可能性があるのです。
甲状腺機能
動物実験では、大豆イソフラボンは甲状腺ホルモン合成に必要な酵素である甲状腺ペルオキシダーゼの活性を阻害することが示されています。
しかし、適切なヨウ素が摂取されている限り、イソフラボンの摂取量が多い場合でも甲状腺機能低下症のリスクを高めることはないとされています。
これは、ヨウ素が適量摂取されている閉経前および閉経後の女性に関する研究でも証明されています。
日本人の一般的な食事でヨウ素が不足することは考えにくいので、ここに関してはあまり心配しなくてもいいと思います。
照射に対する予防薬としての効果もある!?
Hilmannらによって行われた最近の細胞培養やマウスの実験では、放射線療法の前、最中、後に大豆イソフラボンを投与すると、標的腫瘍に対する療法の有効性が高まり、同時に周囲の肺組織に対する放射線療法の線量の毒性が低下する可能性があることが証明されました。
しかし、この分野の研究はまだまだ始まったばかりで、明確なエビデンスがあるわけではありません。
というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「大豆イソフラボンアグリコンはどんな食品から摂れるのか・そもそもアグリコンとはなんなのか・最近注目されているエクオール」についてお話させていただこうと思います。
では、また!
前回記事はこちらから→スーパーミネラル“亜鉛”を徹底解剖!!その②
次回記事はこちらから→女性の味方“イソフラボン”の働きとは!?その②
参考文献
- [1]Association between Soy Isoflavone Intake and Breast Cancer Risk for Pre- and Post-Menopausal Women: A Meta-Analysis of Epidemiological Studies.(2014)
- [2]Equol Decreases Hot Flashes in Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials(2019)
- [3]Isoflavones.KřížováL、DadákováK、KašparovskáJ、KašparovskýT。(2019)
- [4]Health Promotion Effects of Soy Isoflavones.Nakai S, Fujita M, Kamei Y.(2020)
- [5]Scientific Evidence Supporting the Beneficial Effects of Isoflavones on Human Health.Gómez-Zorita S, González-Arceo M, Fernández-Quintela A, Eseberri I, Trepiana J, Portillo MP.(2020)
コメント
記事を読ませていただきました。
更年期対策にイソフラボンを意識して摂るようにしたいと思います🙂
ブログを始めて半年が経ちますが、初めてコメントをいただきました!
本当に嬉しいです!ありがとうございます!
今はまだASPの審査待ちなので、商品リンクを貼れていないのですが、無事に審査が通ればナウフーズというところが出しているイソフラボンのサプリメントを貼らせてもらおうと思っています。
個人的におすすめできる商品ですので、もしもサプリメントでの摂取もご検討されているのであれば、試してみる価値はあるかと思います。
もちろん、僕がこのブログに商品リンクを貼るのを待つ必要は全くございません。
コメントありがとうございました!励みになります!
一次情報に基づいた質の高い情報をお届けできるよう精進して参りますので、今後ともタニトブログをよろしくお願いいたします。