運動能力を向上“シトルリン”の能力!! その②

サプリメント

こんにちはー!タニトです!

前回に引き続き、シトルリンについて書いていきたいと思います。

今回は、「摂取量とタイミング・シトルリンを摂るならアルギニンを摂ったほうがいいのか⁉」についてお話させていただき、最後に、子どもに対する研究&メタ分析のご紹介をさせていただこうと思います。

では、早速いきましょう!

摂取量とタイミング

シトルリンというのは、プロテインの中に含まれにくいアミノ酸なので、普段からプロテインなどを摂られていて十分にアミノ酸を蓄えられているという方でも、意外と不足していることが多いのではないかなと思います。

では、このシトルリンはどのようなタイミングでどのくらいの量を摂取すればいいのかというと、トレーニングのおよそ1時間前に2000㎎~多くても6000㎎くらいを目安に摂取していただければと思います。

また、シトルリン単体ではほとんど味がしないものが多いので、ワークアウトドリンクに味を付けたいという方は、シトルリンにリンゴ酸がくっついた形であるシトルリンマレートというものを摂っていただけると、少し酸味が効いたフレーバーのドリンクに仕上がりますのでおススメです。

シトルリンよりもアルギニンを摂ったほうがいい⁉

シトルリンはアルギニンというものの前駆体になります。

であれば、どうせアルギニンになるんだから最初からアルギニンを摂ればいいんじゃないの?と思われる方もいると思います。

これに関して結論から言うと、シトルリン単体もしくはシトルリンとアルギニンを1:1の割合で摂取するのが望ましいのかなと思います。

なぜかと言うと、アルギニン単体では体内への吸収率がかなり低いからです。

小腸にはアルギナーゼという分解酵素があり、アルギニンを単体で摂ると、この分解酵素が働いて、体内に吸収される前にアルギニンが分解されてしまうのです。

じゃあその分摂取する量を増やせばいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、アルギニンの摂取量が増えれば増えるほどアルギナーゼの量も増えてしまうのです。

ではなぜ、シトルリンとアルギニンを1:1の割合で摂取することをおすすめするのかというと、シトルリンはアルギナーゼの活性を抑える働きを持っているので、アルギニンと1:1で摂取することで、アルギニンが上手く体内へと吸収され、時間差でシトルリンも変化し吸収されていくといった、ある種のタイムリリース的な活用法も高等テクニックとしてありなのかなと思うからです。

子どもに対する研究&メタ分析紹介

2001年に、Waugh らは、鎌状赤血球症の5人の小児参加者(10〜18歳)を対象としたパイロット試験を報告しました。

この研究では、0.09 ~ 0.13 g/kg の経口 L-シトルリンを1日2回 4週間投与すると、血漿アルギニン濃度が 65% 増加し、白血球数と好中球数が正常化されることがわかりました。

2006年、スミスらは、術後の肺高血圧症を予防するために経口L-シトルリン補給を与えられた心肺バイパス手術を受けている40人の子どもの無作為化プラセボ対照試験を報告しました。

周術期に合計 9.5 g/m 2の L-シトルリンを投与すると、手術後12時間のアルギニンと L-シトルリンの平均血漿濃度が約 85% 増加しました。

これは、報告された小児研究の中では最大のものです。

2017年、Stepanovaらによる研究では、マレイン酸シトルリンの補給が、内皮機能障害の徴候を示した小児患者の L-アルギニン、亜硝酸塩、および NO代謝産物の血清濃度を改善することを示しました。

全体として、小児における最近の臨床研究は、アルギニン/シトルリンの補給に関連する結果の有効性を提供していますが、強力なエビデンスを確立するためには、さらなる研究が必要とされています。

また、運動パフォーマンスに関連するメタ分析がありましたので、1つご紹介したいと思います。

Rhimらは、合計206名の参加者を含む13の研究を対象したメタアナリシスを発表しました。

研究に使用された最も頻繁な投与量は、リンゴ酸シトルリン 8 g でした。

結果として、シトルリン補給は、自覚的運動強度および運動後24時間および48時間後の筋肉痛を有意に減少させることがわかりました。

しかし、シトルリンの補給は、運動後72時間の筋肉痛や血中乳酸レベルを有意に減少させることはありませんでした。

このことから、シトルリンサプリメントは、血中乳酸濃度に影響を与えることなく、運動後の自覚的運動強度と筋肉痛を大幅に軽減させると結論づけられました。

というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「さらなるシトルリンの可能性」についてお話させていただこうと思います。
では、また!

前回記事はこちらから→「運動能力を向上”シトルリン”の能力!! その①
次回記事はこちらから→「運動能力を向上”シトルリン”の能力!! その③

参考文献

  • [1]Citrulline: from metabolism to therapeutic use. Bahri S(2013)
  • [2] Therapeutic Potential of Citrulline as an Arginine Supplement: A Clinical Pharmacology Review. Rashid J(2020)
  • [3] A critical review of citrulline malate supplementation and exercise performance. Gough LA(2021)
  • [4] The Effects of Oral l-Arginine and l-Citrulline Supplementation on Blood Pressure. Khalaf D(2019)
  • [5] Effect of citrulline on post-exercise rating of perceived exertion, muscle soreness, and blood lactate levels: A systematic review and meta-analysis. Rhim HC(2020)
  • [6] Citrulline, Biomarker of Enterocyte Functional Mass and Dietary Supplement. Metabolism, Transport, and Current Evidence for Clinical Use. Maric S(2021)
  • [7] Acute Effect of Citrulline Malate on Repetition Performance During Strength Training: A Systematic Review and Meta-Analysis. Vårvik FT(2021)

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