今さら聞けない“クレアチン”の科学!! その②

サプリメント

こんにちはー!タニトです!

前回に引き続き、クレアチンについて書いていきたいと思います。

今回は、「クレアチンの種類」についてお話させていただきます。

では、早速いきましょう!

クレアチンの種類

クレアチンの種類としては、

  • クレアチンモノハイドレート
  • クレアチンエチルエスター
  • クレアチンHCL(ハイドロクロライド)
  • クレアチンクエン酸塩
  • クレアチンマグネシウムキレート
  • クレアチンナイトレート

など、色々とありますが、

主に市場に流通しているものとしては、

  • クレアチンモノハイドレート
  • クレアルカリン
  • クレアチンHCL

このあたりがメジャーではないかと思います。

というところで、今回はこの3つに焦点を当ててそれぞれの違いをお話していきたいと思います。

 クレアチンモノハイドレート

クレアチンモノハイドレートは最も主流なクレアチンです。

市場に流通しているクレアチンの90%以上がこのクレアチンモノハイドレートだと思います。

特徴としては、

  • エビデンスが十分に確保されていること
  • ローディングが必要であること
  • 価格が安いこと

などが挙げられます。

中でも最も特徴的なのがローディングが必要であるというところです。

一般的に言われるローディング期間に必要な摂取量は体重×0.3gで、これを1週間行います。

例えば、体重が80㎏の人であれば1日に24gのクレアチンモノハイドレートを4~5回(1回5g程度)に分けて摂取し、それを1週間続け、筋肉中にクレアチンを貯めていくといった感じです。

ローディング期間が終わって、筋肉のクレアチン濃度が高い状態を作れると、そこからは1日5gくらいの摂取で十分な効果が期待できるようになります。

クレアチンの中では最もメジャーで最も流通量が多いものなので、クレアチンの種類の中でも一番安く手に入れることができるといったところも消費者にとって嬉しい点かなと思います。

また、よく言われている論争として「休止期が必要なのか、必要じゃないのか」といったものがあります。

これに関して、休止期を作ったほうが除脂肪体重が増える・筋力が伸びるといった研究はあまりありません。

しかしながら、個人的には3大栄養素や必須アミノ酸、必須脂肪酸を除いては、どんな栄養素であれ休止期間を設けたほうがいいのではないかと考えています。

なぜかというと、先ほども述べましたが体内にあるクレアチンの内95%は筋肉中に蓄えられています。

これらは、肝臓や腎臓、膵臓によって作られます。

このクレアチンの合成というのは、ホメオスタシス(恒常性)といったものによって担保されています。

ホメオスタシスというのは、身体を健康な状態に保つために必要な生理機能を常に稼働させているものをいいます。

例えば、「クレアチンであればこれくらいの量は必要だから、それを作り続けよう」というシステムが働きます。

こういったシステムがあるにもかかわらず、体内で作れるものを外部からの摂取に依存してしまうことによって、自身の合成能力が低下してしまうということは否定できないのかなと思います。

なので、何らかの理由によってクレアチンの摂取が出来なくなってしまった場合に、体内での合成量が足らなくなってしまうといった事態は避けたいので、個人的には3ヶ月に1回くらいは休止期を設けて自分の能力だけである程度の栄養素を合成する期間というのを必ず作っています。

休止期間としては、大体2週間くらいを目安としています。

ただ、「合成能力が衰えますよ~」といった論文や研究というのはクレアチンに関しては見かけたことがありません。

クレアチンがボディメイクやスポーツにサプリメントとして使われてきたのは、1990年代以降がメインだと思うので、まだまだ研究材料が十分でないといったところもあるのだと思います。

長期間に渡り、摂取し続けた人の合成能力がどうなったのかという材料がまだまだ揃ってない以上、1つのリスクヘッジとして、僕は休止期を設けるようにしています。

この辺に関しては、各個人の考え方次第だと思うので、休止期を設けるのか設けいないのかは、是非ご自身でしっかりと考えたうえで判断していただければと思います。

 クレアルカリン

このクレアルカリンというのは何なのかと1言で言うと、クレアチンモノハイドレートの進化系になります。

本質的にはモノハイドレートなのですが、実質的には次にお伝えするHCLに近いものです。

どういうことかというと、人間のpHバランスは7.3~7.4くらいの弱アルカリ性に保たれています。

クレアチンモノハイドレートのpHは12~13くらいの高い値になっていていますが、体内に入っていくにつれて酸性に傾いていってしまうので、クレアチン本来の姿として貯蔵されにくいといったことが起きてしまします。

この問題を世界で初めて解決してくれたのが、科学者のジェフ・ゴリーニ博士です。

クレアチンをpH緩衝液でコーティングすることで、元のpHを維持したまま体内に吸収させることが可能になったのです。

この技術で特許を取得したものがクレアルカリンになります。

吸収効率が良い分、摂取量が少量で済むので、一般的には2~3gくらいで十分だとされています。

 クレアチンHCL

これは、クレアチンとエチルエステル塩酸を結合させることによって、吸収率を促進させたクレアチンになります。

通常のクレアチンに塩酸の塩基をくっつけることによって、クレアチン自体のpHが下がります。

クレアルカリンのところでお話ししたように、高いpHのクレアチンが低い体内のpHを移動することは吸収率に大きく影響を及ぼします。

しかし、最初から低いpHで体内を移動すると、液体への溶解度というのが大幅に向上します。

さらに、胃に到達した際に胃酸との反応が良いため、そこから素早く小腸で吸収されます。

こういった観点から、クレアチンとしての吸収効率が非常に高い加工になります。

このように、最もスムーズに体内に入っていきやすいクレアチンであるため、理論的にはモノハイドレートと違ってローディングが必要ないとされています。

また、これも吸収率が良い分、1回の摂取量は3g程度でいいとされています。

しかしながら、今回紹介している種類の中では最も高額になります。

また、吸収率が良く効果も発揮されやすいといったこともあくまで理論上の話であり、モノハイドレートと比較した研究はまだまだ少ないのが現状です。

なので、科学的根拠の充実度でいうとモノハイドレートに軍配が挙がるかと思います。

モノハイドレートとHCLどちらを使っていこうかと迷われることがあれば、両方とも期間を決めて使って、体感が良かった方を中長期的に使い続けていくといったことをおすすめします。

ここまでは、トレーニングやスポーツといったエネルギーに関連するクレアチンの効果についてお話してきました。

ですが、それだけでなくクレアチンには健康の改善にも作用するかもしれないということが明らかになりつつあります。

というところで、今回はここまで!
次回の記事では、「健康関連作用への研究」についてお話させていただこうと思います。
では、また!

前回記事はこちらから→今さら聞けない“クレアチン”の科学!!その①
次回記事はこちらから→今さら聞けない“クレアチン”の科学!!その③

参考文献

  • [1] ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations. Chad M. Kerksick.(2018)
  • [2] Effects of creatine supplementation on performance and training adaptations. Richard B Kreider.(2003)
  • [3] Creatine supplementation with specific view to exercise/sports performance: an update. Robert Cooper.(2012)
  • [4] The Evolving Applications of Creatine Supplementation: Could Creatine Improve Vascular Health?. Clarke H.(2020)
  • [5] Use of creatine in the elderly and evidence for effects on cognitive function in young and old. Rawson ES.(2011)

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